2021年10月20日、本年度のGOOD DESIGN賞の発表が行われ、私たちがデザインを手がけた都市景観デザイン[歴史的水路「御殿堰」の再生]がおかげさまで受賞できたことは、すでにブログでご報告しました。

例年であれば今頃、東京のどこかで盛大な表彰式が行われているはずなのですが、昨年に続いて、今年もCOVID19(新型コロナウイルス感染症)の影響で中止となりました。

そんな残念な状況のなか、今回幸いなことに、本プロジェクトの事業主である山形市から場所を提供していただき、受賞記念展示を行うことができましたので、このブログで紹介させていただきます。

官民が手を携えながら、境界をこえて実現した、類まれな意義深いプロジェクトを、より多くの方々に知っていただく機会が与えられて、本当にうれしく思います。

 

先週、11月8日から12日まで、山形市役所1階ロビーで、記念展示を行いました。

そして、本日11月16日から12月17日まで、山形市役所南隣の山形市中央駐車場1階ショーウィンドウにて、継続展示を行っております。

まず、先週まで行われていた、ロビーでの展示を紹介します。

山形市役所 外観 庇の奥が正面玄関で、その向かって右側にあるロビーで展示を行いました。

 

左側に、今回受賞した、都市景観デザイン[歴史的水路「御殿堰」の再生」の模型、パネル、表彰状、右側に現地に設置された案内板のテストプリント、そして昨年受賞した山形県税理士会館のパネルを展示しました。

 

上の写真の左側のテーブル上の展示内容 パネル、模型、レポート(A3判)、花崗岩文字象嵌モックアップ・・・

 

先週金曜日(11月12日)まででロビーでの展示が終わり、本日11月16日から、山形市役所南隣の山形市中央駐車場1階ショーウィンドウに引越ししました。

通りからもよく見えるように、タイトルやパネルのサイズを大きくしましたが、展示内容そのものは大きく変わってはおりません。

山形市を代表する目抜き通りである、七日町大通り(例年花笠まつりが開かれる通り)に面したとてもよい場所を、事業主である山形市から提供していただきました。

上の写真の左側が今回の展示、そして右手奥に見えるのが文翔館(旧山形県庁)です。

「文翔館(旧山形県庁)について

明治9年に現在の山形県が成立した後、初代県令三島通庸の手によって明治10年に山形県庁舎が、また同16年に県会議事堂が旅篭町に建設されましたが、同44年5月の山形市北大火により両棟とも消失してしまいました。ただちに同地で両棟の復興が計画され、大正2年4月に着手、同5年6月に完成したものが現在の旧県庁舎及び県会議事堂です。

設計は米沢市出身の中條精一郎を顧問として東京都出身の田原新之助が担当し、工事は山形県の直営で行われました。

旧県庁舎及び県会議事堂は、英国近世復興様式を基調とした建物で、渡り廊下で結ばれています

旧県庁舎はレンガ造り3階建てで外廻りの壁面は石貼りで覆われています。昭和50年まで県庁舎として使用されていました。(中略)

昭和50年の県庁移転後は、両棟を文化財として保存することとなり、同59年12月には国の重要文化財に指定されました。

その後、同61年から文化庁の補助を受けながら修理工事を進め、平成7年9月に10年におよぶ工事が完成しました。

県では、「山形県旧県庁舎及び県会議事堂」を貴重な文化遺産として保存するとともに、県民の郷土への理解を深め、また本県文化の振興を図るための施設「山形県郷土館」(愛称:文翔館)として活用することとし、平成7年10月1日開館しました。」

(以上カギカッコ内、文翔館ホームページより)

現在文翔館では、「やまがたの建築家と、文翔館をめぐる懐かしの街並み」と題した企画展が開催されております。(~12月4日)

伊東忠太中條精一郎佐野利器(としかた)という、山形県の生んだ偉大なる建築家たちの作品や業績を紹介するパートと、山形の旧市街のなつかしい街並みを写真や当時の新聞などで振り返るパートに分かれています。

 

GOOD DESIGN 2021 受賞記念展示にもどって・・・  現在設営中

 

正午頃、設営完了

 

 

上の写真の左下に見えるのは、現地への行き方マップです。この展示スペースから徒歩6分程度で、「御殿堰」の再生を行った場所を直接見ていただくことができます。

 

 

 

夕方、より詳しい情報を得たい方のための、QRコードを追加で設置に行きました。

 

スマートフォンでQRコードを読み取ると、それぞれのサイトから、プロジェクトに関するより詳しい解説や写真情報等にアクセスできるようになっています。

 

夜、ライトアップされた文翔館

文翔館で行われている「やまがたの建築家と、文翔館をめぐる懐かしの街並み」、よい展覧会ですので、ぜひ見に行ってください。

その帰り道にでも、山形市中央駐車場1階のショーウィンドウに立ち寄って、「GOOD DESIGN AWARD 2021 受賞記念展示 都市景観デザイン[歴史的水路「御殿堰」の再生] 」をご覧いただければと思います。

そして、余力のある方は、それほど遠くないので、現地まで足を伸ばしていただければと…(笑)