12月10日 山形市内で工事中の、RC(鉄筋コンクリート)造3階建ての事務所併用住宅(TOP→実績→設立後で紹介しています)の、1階(1階壁、2階床スラブ)コンクリート打設が行われました。監理者として立ち会いました。
午前8時より打設開始。
鉄筋コンクリートの建物は、まず鉄筋を組み、その周りに型枠を立て、その型枠の中にフレッシュコンクリート(生コン)を流し込み、固まったあとに脱型することでつくられます。
いわば、前回紹介した鋳物と同じ原理です。
型枠の中に、すき間なくコンクリートが流し込まれることが重要です。
すき間なく入っていくには、流動性の高い生コンの方がいいのですが、あまり柔らかくしすぎると、脱型後のコンクリートの品質に影響するので、固めの生コンを使いたい。
しかし、そうなると型枠に入りにくくなるので、生コンを流し込んだばかりのところを、上から壁の中に竹の棒を差し込んでついたり、スラブ下で壁型枠を数名でハンマーでコツコツ叩いたり、適度にバイブレータをかけたりします。
コンクリート打設はチームワークが大切。いくら技術が進んでも、機械が自動的にやってくれる訳ではない。まさに人海戦術です。
16時。六日町の町屋、無事、1階コンクリート打設完了です。
昨今、鉄筋工、型枠大工を含め、鉄筋コンクリートの建物の工事を担う職人さんたちの高齢化や人手不足が問題になっています。こういった、人間にしかできない仕事を次の世代に継承していくのは非常に重要だと思うのですが、なかなか若い人は入ってこないというのが現状のようです。
上の写真を見ても、非常に臨場感があって、やりがいのある魅力的な仕事と思うのですが、若者が肉体的にきつい仕事を避ける傾向が強まっており、このまま建設業に携わる人が減っていけば、今回のようなRCの建物は日本ではつくれなくなってしまうのではないかという危惧を、私を含め多くの建設関係者がもっています。
会うといつも話題になる、切迫した深刻な問題です。
日本の国も、もう少し建設業従事者を含め、現場で汗をかいて働く人たちが誇りをもって働けるような政策をとらないと、大量の外国人労働者や移民を受け入れ、彼らに頼るしかなくなってしまうのではないかと懸念されます。
また、このような技術は書物などだけでは伝えきれず、人から人へと継承されていくもので、一度途絶えると復活するのはなかなか難しいといわれます。
そうなる前に、何とかこの素晴らしい日本の鉄筋コンクリートの建築技術を後世に伝えていくにはどうしたらいいか、真剣に考える必要があると思っています。
この日、コンクリート打設に参加してくださった大友建設と協力会社の皆さん、時折雪も舞う中の長時間の共同作業、本当にお疲れ様でした。一人一人の思いが結実し、きっと建物に生命を宿していくだろうと思っています。ありがとうございました。
上棟までコンクリート打設あと2回、雪の日も多くなって大変ですが、最後までよろしくお願いします。
六日町の町屋、来春竣工予定です。