年明けに、山形県の庄内地方にある古民家を活用した事例を探して歩きました。

まず一軒目に訪れたのが、鶴岡市にある「やさいの荘の家庭料理 菜ぁ(naa)」です。

A few weeks ago, I went to a farmer’s restaurant “naa” in Tsuruoka city, Shonai district, Yamagata Prefecture, Japan. It was originally farmer’s house which was built 130 years ago, and the owner’s family is still living here. It is also used as a tourist home “omoya”, after dinner time.

ここは「農家の宿 母屋(omoya)」として宿泊客も受け入れています。

築130年の農家を改装して、レストラン兼民宿として営業されています。レストランは昼膳と夕膳があります。

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今正面に見えているのは蔵ですが、ここを使うのは家族のみで、客は入れません。

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蔵の右側の通路をとおって、母屋にアプローチします。
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母屋は築130年の民家で、もともとここにあった農家をそのままその場所で活用しています。屋根は入母屋に一部片流れ屋根を加えたもの。(増築部か?)

営業されているのも、ずっとここに住まわれてきた一家です。現在も家族はこの2階に住まわれて、農業を営まれているようです。このレストランでは自家製の有機野菜・米などが振舞われています。

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暖簾をくぐり
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玄関から廊下を見る。左側が客室で、右側が厨房。
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廊下見返し

矢野様(菜ぁレイアウト)
お店からいただいた間取り図です。以下、この図に書いてある番号で写真の位置を示します。(赤く塗られた部屋は基本的にレストラン等には使わないプライベートな部屋です)

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⑤の十畳間。中央部は一番天井が高い。二間以上あります。
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同上。突き当りが④の部屋ですが、グループのお客さんが入っていたため撮影できませんでした。
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同上
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同上 組子
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同上 食器棚
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①の東の十畳間。もともと畳の部屋にカーペットを敷き、テーブル席としています。
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同上。格子状の衝立でゆるく仕切り、向こう側は座卓の間となっています。(見下されているようにならないように、視線を制御しています)
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縁側(図面上では「廊下」)夏はここでお茶でも飲めるのでしょうが、冬期間は、外の寒さが直接伝わらないための緩衝空間となっています。
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①から⑤を見る
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①の西の十畳間
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同上 床の間もそのまま活かし
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③の部屋
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②の十畳間 すべての部屋が、食事室兼寝室となりうるが、主に②③④を、民宿の際の寝室として使っているとのこと。
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私は、①の東側の部屋で1,050円のセットランチを美味しくいただきました。(ごはんと肉料理を少し食べた後の写真) 肉は焼き方(たれ:このときは朝日町のリンゴ汁の入った醤油ダレ)を、焼き魚は3種類ほどから選べました。食材は地元で採れた新鮮なものばかり。

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母屋の東、蔵の南には、別棟を新築した模様。セルフビルドに近い。開口部は簡易的にふさがれており、本来あずまやのような空間。現在は営業していないが、春から秋にかけてはカフェとして使われるようです。

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同内部

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ある程度手直しはされたのだと思いますが、あまり大きな改修はせずに、家具や衝立などをうまく配置して、レストランとして営業されていました。天井の高い食事室兼寝室は、そのままでも十分に魅力的な空間でした。これがレストランとなって、だれでも訪れることができるようになったことには、大きな意味があると思います。

蔵自体は接客の用に供されることはないのですが、そのものがレストランの目印(ランドマーク)でありながら、道路から母屋を守る厚い塀のようになって、その奥での食事や宿泊の落ち着きを演出する重要な役割を果たしていると思いました。

この地域だけでなく日本各地で、十分に魅力ある民家の多くが空き家となってそのまま放置され、やがて廃屋同然となり、最終的に解体されるという運命をたどっています。この「菜ぁ」のように古民家に新たな活路を見出す試みはもっと脚光を浴びていいと思います。

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私は11時半ごろに行ったのですが、正午を回ると、平日にもかかわらず続々とお客さんがやってきました。昼食のみの予約客もいたようです。

もともと農家住居をその場で再生したので、あまり便利な場所にあるとは言えませんが、それでも行くだけの魅力と価値があるということでしょう。遠くからでも、宿泊とセットで楽しめそうです。

このような古民家再生の試みを、これからもっと増やしていけたらいいですね。応援していきたいです。