11月23日、ポーラ美術館の次に訪れたのが、彫刻の森美術館(箱根)です。
日本初の屋外美術館。開館は古く、1969年8月。およそ半世紀の歴史をもっています。敷地は約7万平方メートル。フジ・サンケイグループ傘下の美術館。
現在の館長はファッションデザイナーの森英恵さん。
HP上の館からのメッセージ。
「四季折々の雄大な自然が楽しめる箱根。彫刻の森美術館は、その大自然を生かして1969年に開館した、国内で はじめての野外美術館(オープンエアーミュージアム)です。箱根の山々が望める7万㎡の緑豊かな庭園に、 近・現代を代表する彫刻家の名作約120点が常設展示されています。お気に入りの作品をじっくり眺めたり散策気 分でのんびり歩いたり、思い思いに芸術とふれあうことができます。また、世界有数のコレクション300点余りを順 次公開しているピカソ館をはじめ、5つの室内展示場や、広場を作品に、天然温泉の足湯もあり、心豊かな憩いの ひとときを過ごすことができます。」
「ひとたび野外に出て陽を浴び、雨に打たれ、雲の移り行きを感ずるときには、彫刻も生活の一部であるということがよくわかる。」
ヘンリー・ムーアが1979年にこの館が主催する国際公募展「ヘンリー・ムーア大賞展」創設時に寄せた言葉であり、それがそのままこの館の方針になっているという。
奥にあるのは、アルナルド・ポモドーロ「球体をもった球体」
天候は今一つでしたが、自然と芸術が一体となった世界を満喫することができました。
日本初の「野外彫刻公園=美術館」という発想は素晴らしく、作品も充実しています。家族連れやカップルなどでにぎわい、ちょっと遠出するときの定番のお出かけ・デートスポットになっているようです。自然と芸術をともに楽しむという、例えば、香川県の直島をはじめ、近年行われている屋外で楽しむアートイベントを、50年近く前に先取りしていたというのは、先見の明があったのだろうと思います。
今日的に見ると、建築、ランドスケープともに、老朽化しているということもあって、全体計画以外で、個別的にとりたてて優れていると思えるところはあまりなかったように思います。もちろん竣工当時は十分上等なスペックだったのでしょう。
これだけの作品があるのなら、もう少し、建築や舗装や手すりなどを改修して、洗練されたものにすれば、違う層のお客さんも来るのにと思いましたが、インフラの整備のためにあまり入場料を上げすぎれば、今の家族連れなどが来にくくなるでしょうし、難しいところでしょうか。
2019年に開館50周年を迎えるわけですが、その時には一部でも施設をリニューアルしたほうが良いのではと、何も詳しい事情を知らない私は勝手に思いました。
肩ひじ張らずに気楽に芸術に親しめる今の雰囲気を残しながら、長く続いていけばいいですね。