大阪・関西万博は、先日、惜しまれながら閉幕しました。チケットを持っているのに入れない人も出るほど、最終的には大人気となりました。
まだ、そんな展開になるとはほとんど誰も予想していなかった、万博開幕初日2025年4月13日の午前中に、同じ大阪市内の梅田の北ヤードを再開発した地区にあるギャラリーVSで行われている、安藤忠雄展「青春」を見に行きました。
(この展覧会は残念ながら、7月21日で終わっております。)
公開するばかりにして、写真をデータベースにアップしていたのですが、そのままおいてありました。申し訳ございません。ちょっとニュース性には欠けますが、記録としては重要なので公開させていただきます。
『新建築』も、議論が最盛だった時期ではなく、大阪・関西万博が完全に閉幕して総括も終わりかけた頃に、2025年12月号で万博大特集を組んでいるみたいですし、(どういう判断でそうなったのかは定かではありませんが)まあ、そういう公開の仕方があってもよいのかと。
別にそれに合わせたわけではなく、こちらは、たまたま今の時期になってしまったんですが。これからのご来場は無理ですが、せめて、WEB上だけでも、雰囲気を楽しんでいただければと思います。

展覧会場VSの外観

JR大阪駅近くにできたSANAAによる、グラングリーンもすぐ近くにありました。大阪駅前の一等地に、家族連れが誰でも楽しめる芝生広場をつくったのは、画期的だと思います。


展覧会場 VSの入り口

地下の会場入り口です。

展覧会場入り口にある宣言文 身の引き締まる思い

初期のドゥローイングの数々。

コンクリートで作られた「住吉の長屋」の模型 ある彫刻家がつくったものだ。

広々とした会場ではあるが、所狭しと多くの模型、ドゥローイング、モックアップなどが並んでいる。

直島における40年近い歩みを紹介するコーナー

私が担当していた韓国のプロジェクトも展示されてました。懐かしい。

上はHANSOL MUSEUM (現 MUSEUM SAN) ソウルから1時間半くらいのリゾート地の中にある美術館。

上はbONTE MUSEUM (韓国・済州島)更なる増築が展開中の模様。

大阪市内を中心とするプロジェクトを紹介するコーナー

左側に万博会場の夢洲が見えるが、大阪各地にプロジェクトが散らばっている。安藤忠雄は、生まれ育った大阪に根を下ろしながら、東京を経由せずに、世界中で活躍する建築家。

こども図書館の紹介

映像ルーム 北海道の頭大仏

プンタ・デラ・ドガーナ(ヴェニス)


若き日のドゥローイング

プロジェクト計画段階の六甲の集合住宅Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ Ⅲは違う形で実現された

和美術館(中国)


リノベーションを紹介するコーナー

パリのブルス・デ・コメルスの巨大模型

振り返ると直島の巨大展示

直島の一連のプロジェクト

手前は「坂の上の雲ミュージアム」か? 奥に全国のこども図書館の展示

サントリー・ミュージアム (大阪・天保山)

神戸 こども本の森


大阪のギャラリー?


銀座の別荘

瀬戸内海をめぐる、こども本の船

人々でごった返す会場(展覧会場に入ったばかりの展示コーナー)

21・21デザインサイト(上)と表参道ヒルズ(下)

副都心線渋谷駅(手前)、東京大学情報学環福武ホール(奥)

4×4の住宅 (模型とドゥローイングと動画による展示)

ピューリッツァー美術館

NY 9.11テロのグラウンド・ゼロに対する提案

マンハッタン グラウンド・ゼロ プロジェクト

六甲の集合住宅 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ (実現案に近い模型)

風の教会(六甲の教会)

光の教会のドゥローイング

光の教会・日曜学校(左)と光の教会(右)

Dream Chair 安藤忠雄が Carl Hansen &Son とコラボした椅子。

水の教会を1:1(原寸大)で再現した映像コーナー (音も聞こえ、四季の移ろいも感じられるようになっている)

淡路夢舞台 淡路島の関西空港のための土取り後につくられたリゾート施設。ゴルフ場にする予定だったが、国際園芸博ジャパンフローラ2000の会場として、国際会議場、ホテル、温室、野外劇場などの集合体としてつくられた。今でもそのままの形で運営されている。

大阪府立狭山池博物館 (行基によってつくられたといわれる、日本最初期の土木事業狭山池の堤体をそのまま保存した博物館)

近つ飛鳥博物館(左) と兵庫県立美術館・水際広場(右)

司馬遼太郎記念館(左が司馬が執筆していた書斎で、右が記念館)

今までのすべての住宅をセームスケール(1:200?)で展示

最新プロジェクト?古いサイロを再生する?

台湾の霊園

ブルス・デ・コメルス(パリ)

ブルス・デ・コメルス(パリ)

また、こども本の森の紹介コーナーに戻る。


一連のこども本の森の紹介

中之島プロジェクトⅡ アーバン・エッグ 中之島公会堂の再生計画

中之島プロジェクトの長大なドゥローイング

ヴェネツィアのガラス工房とのコラボ

急遽、安藤忠雄のギャラリートークが始まるというので集まった人々

会場入り口にある、5層吹き抜けの安藤忠雄建築研究所とスタッフの集合写真
解説が少し適当でしたが(笑)、雰囲気は味わっていただけたかと思います。数年前の東京六本木の国立新美術館の展覧会もすごかったですが、今回もその質と量、エネルギーに圧倒されました。
これまでの仕事の集大成でもあり、まだまだ世界中で仕事を続ける安藤先生の熱気が伝わってくる展覧会でした。
初期のプロジェクトの中にはアンビルト(建たなかった)ものもありましたが、その困難な時期を経て、これだけ数多くの建築作品を世に送りだしてきた安藤先生のパワーをあらためて感じることができました。
そして、一連の展示からは、そのぶれない姿勢、ものづくりとしての哲学が伝わってきました。
その源にあるのが「青春」という言葉なのでしょう。

この写真の左端にちょっと見えますが、「青春」の象徴である青いリンゴが、最近安藤忠雄の作品に展示されることがおおくなっています。今の時代「青春」を語るのがなんだか気恥ずかしくダサい雰囲気になっているかもしれませんが、若者だけでなく、皆が「青春」を追い求めれば、この日本も世界も、元気になっていくだろうという、安藤忠雄からのメッセージなのだろうと思います。
突如(予定外に)、会場に安藤先生が現れ、本のサイン会を始められて、数年ぶりにご挨拶しました。お元気そうでよかったです。
先日、水戸芸術館で磯崎新さんの展覧会を見てきたばかりでしたが、今年は建築家の展覧会が結構ありましたね。よい刺激を受けました。

大阪駅前のグラングリーンをもう一度見て、万博会場へ。

