2017年12月13日 山形県税理士会館の落成式が行われました。最初に、午後2時から新税理士会館で落成式の神事と記念植樹が行われました。
日本上空に強い寒気が流れ込んだ影響で、あいにくの雪模様でした。
新会館内には、お祝いの花が数多く届けられ華やいでいます。
記念植樹も雪の中では大変です。親水広場の3カ所の植栽枡で樹木のまわりに土をかける儀式が行われました。樹種はジンダイアケボノという桜の木です。
会場を山形グランドホテルに移して、午後4時から落成記念式典・祝賀会が行われました。壇上におられるのが、江部寛東北税理士会山形県支部連合会長、手前におられるのが、木口隆東北税理士会長。
山形市長、県内各地域の税務署長、国会議員、山形県商工会議所連合会長、各士業の山形県の会長はじめ、政・官・財界から多くの方々が参席され、祝辞をいただきました。
山形の地酒男山で鏡割りをして、祝宴の始まりです。
乾杯と同時に、会場全体が祝福と喜びの声につつまれ、大いに盛り上がりました。いたるところで酒を酌み交わして苦労をねぎらいあう光景が見られました。完成を心待ちにしてい会員のみなさまの多くから、新しい会館に対して好意的なお言葉をいただき、私も安堵すると同時に、喜びを噛みしめました。
山形県税理士会館の移転新築プロジェクトは、東北税理士会山形県支部連合会が、2015年7月から約1年の準備期間を経て、昨年9月に山形市内に本社を置く設計事務所のうち（歴史、実績、規模等において）大手とされる5社に、指名設計競技（コンペ）への参加を要請することから始まりました。
そのうちの一社、羽田設計事務所から、一緒に設計競技に参加しないかとお声がけいただき、私が代表を務める空間芸術研究所と設計共同体を組織して案を提出し、それが、2016年10月19日、最優秀（当選）案に選定されました。
共同体では、私が基本計画（コンセプト）、基本設計を担当し、実施設計・監理においては、デザインの決定、素材の選定、現場打合せ等を私が行い、羽田設計事務所からは豊富な地元での経験に基づき、実務上の支援をしていただきました。
（設計・監理のクレジットは原則として「空間芸術研究所（矢野英裕）」とすることで、協定書において合意されています。）
今回、設計競技の提案書を読み直してみました。実施設計や監理のプロセスで、技術やコストの問題で若干変わった部分もありますが、当初のコンセプトは概ね失われることなく実現できたのではないかと思います。（竣工写真は→「山形県税理士会館」）
これもひとえに、まちに対して大きく開かれた「対話する税理士会館」というコンセプトを、勇気をもって受け入れてくださり、竣工までご支援いただいた、東北税理士会、東北税理士協同組合の皆様方のおかげです。深く御礼申し上げます。
また、施工に当たられた丸吉奥山組さんには、私の投げたさまざまな難しい要求によく応えていただいて、高い品質の建物に仕上げていただいたと思います。（→工事中の様子）
今までは建物の間に挟まれて、ここに流れているということが山形市民にもあまりよく知られていなかった、江戸時代からの疎水、御殿堰。その流れに面しながら通りとも連続した親水広場をつくることで、この税理士会館が会員のみならず市民にも愛されるような公共性の高い施設になってほしいという思いをもって臨みましたが、その素地はつくれたのではないかと思います。
新山形県税理士会館の建設に携わられた多くの方々、ご支援・ご協力いただいた全ての方々に、あらためて感謝申し上げます。
翌日は快晴。御殿堰にも水が流れ、青空が映り込んでいます。新しい税理士会館が始動します。
落成式の来賓祝辞で佐藤孝弘市長も話されていましたが、税理士会の会員同士の交流の場として積極的に活用されることはもとより、山形のまちづくりのひとつの基点として、市民をはじめ、道行く人々に親しまれる建物になることを期待しています。会員の皆様と市民に育てていっていただければと思います。
親水広場「季（とき）のテラス」には3本の桜の木が植えられました。安全祈願祭（起工式）は、ちょうど霞城公園に桜が咲き誇る時期でした。そこからほど近いこの場所も、いつか山形の桜の名所に名を連ねることができるでしょうか。
「実績」→「設立後」の「山形県税理士会館」の写真を写真家・小川重雄さんに撮っていただいたものに差し替え、建物の解説等を加えました。（タイトルをクリックするとジャンプします。）
