8月は、インターン、オープンデスクの学生さんたちが、大活躍してくれました。
山形大学のインターンシップから3名、JIA(日本建築家協会)のオープンデスク制度から2名の応募があり、書類選考して、全員を受け入れることにしました。5人とも大学3年生でした。
今までの部屋だけでは手狭だったので、急きょ同じビルの同じフロアで空いていた部屋を借りて、インターン、オープンデスクの受け入れ態勢をつくりました。
8月初旬からお盆前まで来てくれていた中国人留学生の王さんが里帰りし、15日から、根本君と武田さんが参加。お盆前から来ていた、髙橋君、髙橋さんと合流し4人でほぼ2週間、模型づくりなどに取り組んでもらいました。
たまたま、仲介してくれた不動産会社の隣の、住宅設備会社のショールームが移転となることがわかり、テーブル、いすなどを格安で譲っていただき、最初はそれらをがらんとした部屋に設置しました。
ただ、これでは単純な模型作業しかできないし、空間がもったいないので、家具を購入して、スタジオ、ワークショップとして整備することにしました。
最初に、学生さんに、1:30の検討用模型をつくってもらい、部屋全体の中での、通路幅や、家具の高さのバランス、空間の雰囲気などを確認。
「原寸大で考える」と題して演習を行う。
近年はCAD(コンピューター支援設計)を使って、モニター上でズームイン、ズームアウトしながら製図をするために、建築を志す若い人のスケール感覚が失われていっているといわれています。
学生さんには、1:50や1:100などの縮小されたスケールの図面、模型と、1:1(原寸大)で実際に立ち上がってくるものとの関係を体感する、貴重な経験となったことでしょう。
ドゥローイングや模型は、それ自体が作品となりうるくらい、建築家にとって重要な表現手段です。しかし、それらは本来あくまでもプロセスです。1:1でリアルに立ち上がってくる建築をよりイメージ通りに、より高いレベルでつくるための検討手段であり、施主や施工者に意図を伝達するためのツールです。最後に優れた建築として結実することが、それらをつくる一番重要な目的であることは言うまでもありません。
でも、だからこそ、いかに真剣に図面や模型に取り組んだかというプロセスが、多くのひとびとが関わってつくられる建築の、最終的な質に直につながってくるのであって、それらのひとつひとつに気持ちを込めてつくることは、実はとても大事なことなのではないかと思うのです。
今回、スケール感覚の重要性、ドゥローイングや模型の大切さ、それらがどのように原寸大の実際の空間につながっていくのかを、参加した皆が認識できたと思いますので、これからもつねに生活のなかで意識ながら、その感覚を身体化していってほしいですね。
最終日に、それぞれ自分のつくった模型を前に記念撮影。
8月前半に来てくれた山形大学の王さんを含め、5人のインターン・オープンデスクの学生さんたち、ありがとう、そしてお疲れ様でした。
少しは前よりの建築のことが好きになり、模型づくりの腕が上がったでしょうか?
最初に事務所に来た時よりも、みんなだいぶしっかりした顔つきになったような気がします。
いろいろな課外活動に忙しいみたいですが、また、訪ねて来てくれることを待っています。
山形近郊に住んでいる、または山形に実家があり長期休暇で帰省する予定のある、建築学科、建築関連学科の学生さん、インターン、オープンデスクへの参加をお待ちしています。
いつでも受け入れ可能です。まずは「窓口/inquiry」から連絡してください。