2月6日に、宮城県と山形県の県境付近にある、釜房ダムの近くの国営みちのく湖畔公園(宮城県川崎町)に行ってきました。
みちのく湖畔公園の中には「ふるさと村」と名付けられた、東北六県のそれぞれに特徴のある民家を移築・保存したエリアがあります。
公園の入り口あたりの雰囲気からは、本格的な古民家がその奥にあることは想像できず、あまり期待していなかったのですが、良い意味で裏切られました。
ここでは、子供たちを含め、市民に昔の人々の暮らしを知り体験してもらうために、古民家をできるだけそのままの姿で移築しています。その中には、飲食などの店舗や美術のギャラリーなどがあるわけではなく、テーマごとに昔の暮らしや地域の文化を知ってもらうための展示がなされているのみで基本的には原状のままの民家が体験できます。
何回かにわたり、ご紹介していきたいと思います。
I visited Michinoku Kohan Park (Lakeside Park in Tohoku) by Kamafusa Dam located near the border between Miyagi and Yamagata prefecture on Feb. 6th.
There is “Furusato Mura” (Nostalgia Village) in the park, and several old traditional houses have been moved from six prefectures in Tohoku (Northeast) district in Japan and conserved and exhibited here.
Today I will show you “House by Narusegawa river” moved from Shikama town of Miyagi prefecture. It was a house of farmer’s family who not only grew rice in the field but also raised silkworms in it, which was originally built at the end of 19th century.
まず、宮城県加美郡色麻町から移築された、鳴瀬川河畔の家(旧菅原家住宅)から。建築年代は19世紀末、今から百数十年前です。中二階式養蚕家屋です。お米をつくりながら、繭糸も生産していた農家住宅です。
単に移築したというだけでなく、学術的な考察を加えたうえで、丁寧に修復保存されています。
吹き抜けのような縦の抜けや、ふすまで仕切られた部屋が続く横の抜け(「奥」の感覚)、二つの階段や縁側による回遊性があり、立体的で面白い構成の民家でした。この家が建てられたころに比べ、飢えや病はずいぶん克服され、物質的にはたいへん恵まれた時代になりましたが、このような民家を実際に体験すると、その豊かさにいつも圧倒されます。少なくとも「すまい」に関しては昔のほうがはるかに勝っていたのだなあと感じざるをえません。このレベルに達するには並大抵の努力ではできそうにないですが、現代においても違った形で、魅力ある「すまい」をつくっていけたらいいですね。