- 9月25日にニューヨークのメトロポリタン美術館で鑑賞した西洋絵画のなかから、今日はコロー、ミレー、ターナーを取り上げます。
・ジャン・バティスト・カミーユ・コロー(フランス:1796-1875)
・ジャン=フランソワ・ミレー(フランス:1814-1875)
・ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー(イギリス:1775-1851)
カミーユ・コローは、大胆なタッチで描いた光あふれる風景画が有名で、単なる写実的表現ではなかったこと、また彼の描いた湖や森が神話の背景ではなく、ごくありふれた日常の風景だったことから、モダニズムを先取りした画家といわれている。現に、彼が印象派、フォービズム、キュビズムの画家に与えた影響は大きい。印象派という名前こそなかったものの、もうすでに、ここから印象派は始まっているようにも思える。
ミレーは、コレラの流行していたパリを避けて、1849年、バルビゾンに移り住み、代表作といわれる『種まく人』『晩鐘』『落穂拾い』はそれ以降の作品である。
コローとミレーはともに、フランスのバルビゾン村で、自然主義的な風景画、農民画を描いた「バルビゾン派」に属し、「バルビゾンの七星」のうちの二人である。たまたま亡くなった年が一緒だが、ミレーのほうが、二回り以上も年長である。しかし、二人の間に親交はあったという。
ターナーは、イギリスのロマン主義の画家に分類され、コローと同じく風景画が多く、近代性を先取りしていた点なども共通しているように思われる。
近代への胎動が聞こえる。