隈研吾さんの設計した十和田市市民交流プラザは、官庁街通りに直行する奥州街道沿いに位置しています。2014年10月にオープンして、1年が経ちました。
通り側に面した玄関。東、南、西の三か所の出入口から入り、「みちの広場」をとおって、通り抜けできるようになっている。
4つの既存施設(中央公民館、老人福祉センター、ふれあい会館、総合福祉センター)を統合し、その機能の間にできたすき間をただの廊下ではなく、通り抜けできる路地でありたまり場ともなりうる「みちの広場」としている。もともとプログラム上になかった内部空間(空調ゾーン)をつくる費用を捻出するには、さまざまな工夫が必要だっただろう。それが、かなり割り切った仕上げとして表れているのだろうか。
かなり思い切って、余計なものを省いたディテールで、これならコスト的にも余裕ができるし、おさまりも楽だろうと思う反面、この割り切りには結構勇気がいると思いました。
街に対しては確かに、新鮮なアクセントとなっているように思いますし、ふらっと入っていける気取りのない場所として、市民にはなじみやすいかもしれません。
建築というより、なにか、現代美術の作品のように思えました。建築と現代美術の境界はますますあいまいになりつつあるのでしょうか。
川俣正の作品や、フランク・O・ゲーリーの自邸などを想い起しました。