2017年11月16日 竣工、引渡ししました。

外観(御殿堰(左)は上流での工事のため一時的に枯れている状態です。)
御殿堰ホール
エントランスホール
2階 ラウンジ
税務相談室
御殿堰ホールと季(とき)のテラス
模型写真 / model photo

Photo by Hidehiro Yano

既存の山形県税理士会館の老朽化に伴う、移転新築工事である。新しい敷地は、旧会館から歩いて3分ほどの場所にあり、中心市街地の霞城公園東幹線道路に面している。はじめて敷地を見たとき、ここには営業を停止してしばらく経った2階建ての町工場(併用住宅)が建っていた。敷地の西側には、隣接する建物との間に、山形五堰のひとつ、御殿堰が流れていることが確認できた。山形五堰は江戸時代に、農業用水、生活用水、城濠への給水などを目的につくられた疎水であり、馬見ヶ崎川から取水され、山形市内を網の目のように流れている。高度成長期には水質が悪化したこともあったが、現在は改善され、水生植物や昆虫の幼虫なども生息するようになってきている。この御殿堰に面しつつ、街とも連続した親水広場をつくり、その広場に向かって建物を開くことで、税理士会の会員だけではなく、一般市民にも立ち寄りやすいような、公共性をもった施設にしたいと考えた。1階には2層分の高さをもつ庇に覆われた親水広場「季(とき)のテラス」を設け、そこから自由に出入りできるように「御殿堰ホール」を配した。60人収容できる多目的ホールであり、会員の研修を中心に今後さまざまな用途に用いられることが期待されている。2階には弓形の縁側空間があり、会員同士が休憩時間などにくつろぎながら話ができるような場としている。その縁側空間(ラウンジ)は通路を兼ねており、街を見渡すことができる「税務相談室」、事務室、応接室などと接続されている。IT化が進むこれからの時代、逆説的に人々の心の対話がより求められてくるだろう。それは税理士の分野でも例外ではなく、クラウド化などが進む中、納税者である市民との対話が、その重要さを増してくると思われる。新しい山形県税理士会館が、本来の機能を超えて、新しい時代の税理士のあり方に寄り添いながら、会員同士、そして税理士と市民の豊かな対話の場になることを願っている。(矢野英裕)

建築場所  山形市旅籠町

用途地域  商業地域

防火地域  準防火地域

主要用途  事務所

構造・規模 鉄骨造 地上2階建

敷地面積  321.4㎡

建築面積  152.8㎡

延べ面積  208.1㎡

1階床面積   109.5㎡

2階床面積    98.6㎡